人前式は宗教にこだわらない、ふたりらしい結婚式を希望するカップルに人気の挙式スタイルです。
近年増加傾向にある人前式ですが、人前式の流れや相場など「実はよく分からない…」という方も多いのではないでしょうか。
今回は人前式の流れから相場、人気の演出などを徹底解説していきます。
人前式とは？
人前式とは、宗教や形式にとらわれない自由度の高い挙式スタイルのこと。
新郎新婦が結婚式に参列してくれたゲストの前で一生の愛を誓い、ゲストに結婚の承認をしてもらうのが大きな特徴です。
人前式ではゲストに証人となってもらうので、「誓い」を大切にしたいカップルにぴったりです。
誰に、何を、どのような言葉で誓いを立てるのか、じっくりと検討することで結婚する意味をより深く考えられると言えます。
結婚式は特定の宗教にとらわれることなく、演出やプログラムも自由にアレンジできるので、ふたりの希望通りの結婚式を挙げられるでしょう。
人前式の魅力
人前式を選ぶカップルが増えているようですが、人前式にはほかの挙式スタイルと比べてどんな魅力があるのでしょうか。
人前式の魅力を詳しく見ていきましょう。
ゲストとの一体感をより感じられる
教会式（キリスト教式）・神前式・仏前式といったほかの挙式スタイルでは、ゲストに背を向けて誓いを立てるのが一般的です。
一方、人前式では新郎新婦がゲストと向かい合う形で立ち、誓いを立てるのが特徴です。
ゲストと顔を合わせながら誓いを立てるのでゲストとの距離が近く、会場全体の一体感をより感じやすくなります。
特定の宗教にとらわれない
新郎と新婦それぞれが異なる宗教を信仰している場合、結婚式の挙式スタイルで折り合いがつかず揉めてしまうこともあるようです。
人前式ではほかの挙式スタイルのように、神様や仏様の前で愛の誓いを立てることはありません。
結婚式に参列してくれたゲスト全員に立会人となってもらい、ゲストの前で愛の誓いを立てるため、宗教色がないのが特徴であり魅力の一つです。
そのため、人前式は宗教にこだわりのない方やさまざまな理由で宗教色のない結婚式にしたい方におすすめと言えます。
会場・衣装・演出の自由度が高い
人前式にはゲストに対して誓いを立てるということ以外に、決まった形式やルールが存在しません。
そのため、結婚式そのものを自由にアレンジできるのも魅力の一つと言えるでしょう。
人前式以外の挙式スタイルを選んだ場合、結婚式を挙げる会場自体も選択肢がいくつかに絞られてしまいます。
教会式の場合は教会や結婚式場のチャペル、神前式の場合は神社やホテル・結婚式場にある神殿などから選ぶことになるでしょう。
一方、人前式の場合は結婚式を挙げる会場に決まりはありません。
ふたりの思い出の場所や美術館、アミューズメントパークなど、会場側の了承があればどこでも人前式を挙げられます。
また人前式においては、衣装や演出も会場同様に明確な決まりはありません。
新郎新婦の着たい衣装や取り入れたい演出を自由に組み込めます。
結婚式の定番であるウェディングドレスや白無垢以外にも、甲冑や十二単など新郎新婦が選んだ個性的な衣装でも問題ありません。
このように会場・衣装・演出などを新郎新婦の希望に沿って自由に選べるので、アットホームな雰囲気にも厳かな雰囲気にもどちらにも対応できます。
さまざまな面で自由度が高い人前式では、演出の幅も格段に広がります。
ゲスト参加型の演出を多く取り入れ、ゲストと共に作り上げる結婚式にするのもいいでしょう。
結婚式の会場全体に一体感が生まれ、ゲストの記憶にも残りやすくなりますよ。
費用の調整が可能
結婚式の自由度が高く選択肢の幅が広いため、ふたりの希望に合わせた会場選びや演出にすることで費用の調整が可能です。
結婚式の予算に限りがある場合は、シンプルな演出や必要最低限の装飾にすることで費用を抑えられます。
逆に結婚式に費用をかけたい方は、衣装やウェディングアイテムなどを豪華にして、司会もプロに担当してもらうなど細部までこだわることもできます。
人前式の流れ
人前式は形式にとらわれない自由度が高い結婚式だと紹介しましたが、結婚式当日の流れも基本的には自由です。
人前式には決まった流れやルールはありませんが、完全に自由だと何を取り入れて良いのか悩んでしまう方もいらっしゃるかもしれません。
以下のプログラムを参考に自由に演出を追加したりアレンジしたりして、ふたりらしい結婚式にしていきましょう。
- ゲスト入場
- 新郎新婦入場
- 開式宣言
- 誓いの言葉
- 指輪の交換・指輪の披露
- 誓いのキス
- 結婚証明書（結婚誓約書、婚姻届）への署名
- ゲストからの結婚の承認
- 結婚成立宣言
- 閉式の言葉
- 新郎新婦退場
- ゲスト退場
①ゲスト入場
ほかの挙式スタイルと同じく、人前式でも新郎新婦が入場する前にゲストが会場入りします。
席札あるいは席次表を準備し、着席してもらいましょう。
②新郎新婦入場
一般的な挙式では単独で入場することの多い新郎。
人前式では親以外にも、きょうだいや特にお世話になったゲストと共に入場してもいいでしょう。
新婦は父親と入場する場合が多いですが、人前式では決まりはなく自由です。
新郎新婦で腕を組んで歩いたり、ノリノリでダンスしながら入場したりするのもいいでしょう。
③開式宣言
年配の方や結婚式にあまり参列したことのない方にとって、人前式はあまり馴染みのない挙式スタイルかもしれません。
結婚式の司会者から、今回の結婚式が人前式であること、人前式の簡単な説明、ゲスト全員が証人となる役割を担うことを知らせておく配慮が必要でしょう。
プロの司会者を頼んでもいいですし、堅苦しくないカジュアルな結婚式にしたい場合や予算を抑えたい場合は司会業が得意な友人に頼んでもいいでしょう。
④誓いの言葉
人前式で最もこだわりたい部分が、誓いの言葉です。
新郎新婦の個性が出るポイントですので、ふたりらしい誓いの言葉をじっくり考えてみてください。
- ゲストに向けた誓い
- 新郎新婦がお互いに向けた誓い
- 相手や自身の親に向けた誓い
- 結婚生活における誓い
誓いの言葉にも決まった形式やルールはありませんので、ふたりらしい言葉や内容を選びましょう。
サプライズで友人や両家の親に協力してもらうなど、堅苦しくない誓いの言葉が人前式では人気のようです。
誓いの言葉を読むときは、ふたりで一緒に読んだり交互に読んだり、ゲストに問いかけてもらったりと読み方も進め方も自由です。
誓いの言葉次第で会場に笑いや感動があふれるかもしれません。
ふたりの腕の見せ所なのでありきたりな言葉を並べるだけでなく、ユーモアを交えつつ素敵な言葉を考えてみてください。
⑤指輪の交換・指輪の披露
指輪の交換は、結婚式の大切なセレモニー要素の一つです。
新郎が新婦の左手薬指にやさしくはめた後、新婦が新郎の左手薬指に指輪をはめます。
結婚式の指輪の交換では、新郎新婦は言葉を発しない場合がほとんどなので、生演奏やCDなどで素敵なBGMを流しましょう。
指輪関連では、リングリレーやリングボーイ・リングガールの演出が人気です。
⑥誓いのキス
指輪交換の後は、新郎新婦で誓いのキスをします。
誓いのキスが恥ずかしいという場合は、キスをする箇所を唇ではなく頬にしたり、キスをハグに変更したりとふたりらしい演出に変えてみてもいいですね。
⑦結婚証明書（結婚誓約書、婚姻届）への署名
結婚証明書（結婚誓約書）とは、結婚を証明する書類のことです。
誓いの証として、人前式の最中に新郎新婦や立会人の代表者が署名をします。
市販のものも多くありますが、アクリル板などで世界に一つだけのオリジナル結婚証明書をDIYする方もいます。
法的な効力はありませんので、結婚式の記念品として用意する方が多いようです。
結婚証明書の代わりに、実際の婚姻届に署名をする場合もあります。
ゲスト参加型の人前式を希望の場合、ウェディングツリー（フィンガーツリー）やハートドロップスの演出を取り入れるといいでしょう。
⑧ゲストからの結婚の承認
ふたりの誓いの言葉や結婚証明書への署名を済ませた後は、ゲスト全員からの拍手で結婚の承認をしてもらいます。
盛大な拍手で会場全体の雰囲気が盛り上がること間違いなしです。
笛やベルなどの音の出る楽器を使って、拍手の代わりに音を出してもらうのもいいでしょう。
⑨結婚成立宣言
立会人となったゲストから結婚の承認を得た後は、司会者や立会人の代表者が改めてふたりの結婚成立の宣言をします。
人前式以外でも広く行われていますが、新郎新婦が結婚証明書をゲストの方に向かって掲げ、披露してもいいでしょう。
⑩閉式の言葉
司会者が結婚式のお開きを告げます。
⑪新郎新婦退場
新郎新婦が退場します。
新郎新婦の退場時にはライスシャワーやフラワーシャワーの演出が人気です。
⑫ゲスト退場
最後にゲストが退場します。
人前式の相場
「ゼクシィ 結婚トレンド調査2023調べ」によると、人前式でかかった挙式料の平均額は35.8万円。
ただし、人前式の費用は使用する会場や取り入れる演出によって大きく差が出ます。
人前式における挙式料も人それぞれで、10万円未満に抑える人から、50万円以上かける人まで幅広くいますので、平均額はあくまで参考程度と考えてください。
人前式で人気の演出
人前式の演出といえば、ゲストも一緒になって参加できるゲスト参加型の演出が人気です。
ゲストを大切にする人前式なら、ゲスト参加型の演出を結婚式に取り入れやすいでしょう。
ここからは人前式におすすめの演出を紹介します。
リングリレー
ふたりの結婚指輪をそれぞれ1本の長いリボンに通し、ゲストの手によって後方から前方へ移動させ、新郎新婦の元へ送り届ける演出です。
ゲストの思いを乗せた特別な指輪になります。
ダーズンローズセレモニー
結婚式会場で新郎がゲストから1本ずつ集めた花をまとめ、大きな花束にします。
その花束を持ち改めて新婦にプロポーズを行う演出です。
新婦は花束から1本抜き出し、新郎の胸元に挿します。
正式なプロポーズをしていなかった方や改めてロマンチックに新婦への愛を誓いたい方におすすめです。
まとめ
結婚式に参列してくれたゲストに対して誓いを立てる人前式は、宗教色がなく会場や演出の自由度も高いといった魅力があります。
人前式では誓いの言葉が重要視されるので、会場に笑いや感動をもたらすようなふたりらしさのあふれる文章を考えるといいでしょう。
人前式にかかる費用は人それぞれで、ふたりの結婚式の予算に合わせて調整できます。
人前式の流れには決まった形式や堅苦しいルールは存在しません。
自由に演出や内容をアレンジして、ふたりらしい結婚式にしてくださいね。